経済指標や要人発言に注意

発表直後に大きく為替相場が変動

 為替差益を狙ったトレードをするなら、経済指標の発表や中央銀行総裁の発言などはとても気になるところです。なぜなら、発表直後が大きなトレードのポイントとなることが少なくないからです。

 為替相場に大きく影響するのは、貿易収支、失業率、小売売上高、消費者物価指数などの経済指標のほか、各国の中央銀行が発表する政策金利です。これらはあらかじめ予想が立てられており、通常、為替相場はその予想を織り込んだものとなっています。結果が予想通りならいいのですが、予想と大きくかけ離れたサプライズ的な結果であった場合、為替相場は大きく変動します。
 ときにはほんの数分でクロス円で2円以上動くこともあります。

 こういったときの対処法として、大きな損失を未然に防ぐために、指標の発表前に逆指値で決済注文をいれることもリスク管理に必要です。
 もう一つは、市場が過度に反応するケースが少なくなく、これを見極めることです。例えばある国の中央銀行から予想通りの政策金利の発表されたのも関わらず"売られすぎ"や"買われすぎ"が発生し、一時的に相場が大きく上昇または下降することがあります。しかし、次第に本来あるべきレートに戻ります。ここで、逆張りを狙うわけです。ただし、しっかりとした相場観が身についていない方は危険ですので、無闇にトレードするのは避けましょう。

事前にシミュレーションを立てておく

 例えば、下の為替チャートは実際にあった米ドル/円のものです。
 この日、ECB(欧州中央銀行)から政策金利の発表がありました。結果は、予想通りの金利据え置きです。にもかかわらず、金融不安や景気減速よりインフレ警戒姿勢などが絡み、この直後にユーロ/円が急落。これにつられて、米ドルや豪ドルなど他の通貨もクロス円で下降していきました。

 予想通りの結果にもかかわらず相場が下落したのです。ここで、底値を見計らって"買い注文"を入れるわけです。経済指標の当事者であるユーロ以外の通貨を。上の米ドル/円を例に取ると、うまく底値で買い注文を入れられれば30分ほどで50銭ほどの差益を得ることができるわけです。
 もう一言付け加えると、上昇トレンドを描いている通貨があるなら、そちらを買うのがローリスクです。
 このように、経済指標の発表で為替相場が大きく動く可能性があるときは、事前にシミュレーションを立てておくことです。
 具体的には以下のような場合を想定しておきます。

・予想通りなのに相場が上昇した場合
・予想通りなのに相場が下落した場合
・予想を大きく上回った場合
・予想を大きく下回った場合

 ただし、これは高等なテクニックを要しますので、初心者の方は無理をしないよう、くれぐれも注意してください。

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