MACDと75日移動平均線を併用したFX 米ドル円

75日移動平均線とMACDの併用でFXトレード

 テクニカル分析を活用してFXで稼ぐためには、手法を併用してトレードをするのが効果的です。
 ここでは、いままで述べた75日SMA(移動平均線)とMACDをそれぞれの長所を生かし、併用した場合に、FXでどのくらい稼ぐことができるのがを米ドル円とユーロ円で検証してみます。
 基本的な方針は、75日SMA(移動平均線)ではトレンドを、MACDで相場の過熱感を把握し、売買のポイントを探ります。

【売買ルール】
1. 75日SMA、MACD、どちらかで売買サインが出た場合、翌日の始値でポジションを建てる。
2. ポジションを建てた後、反対方向へ1.50円変動した時点で損切りをする。
3. ポジションを保有しているときに売買サインが出た場合は、既存のポジションを決済すると同時に反対方向のポジションを建てる。
4. 75日SMAでトレンドが確認できる場合は、順張りを基本とする。トレンドは短期ではなく、大局的に判断する。
5. 押し目買い、戻り売りの場面を除き、MACDの-0.7500〜+0.7500範囲のサインは無視することを基本とする。
6. 建てたポジションと反対方向に1日2円以上動いた場合は、その日の終値で手仕舞いする。
7. MACDとシグナルの交差角が緩い場合はサインを無視する。
8. レンジ相場が確認できた場合は、テクニカル分析なしで高値、底値から反転したところを狙ってトレードに参入する。

 では、まずドル円の2005年6月〜2008年5月までのデータをもとに、併用案の有効性を検証します。

2005年6月〜2006年5月

2005年6月〜2008年5月 75日移動平均線とMACD併用
番号 注文日 レート 売買 理由 決済日 レート 収益結果 理由
1 2005/06/09 107.26 L 75SMA 2005/07/21 110.28 +3.02 2円超急落
2 2005/08/17 109.51 L 75SMA 2005/09/02 109.79 +0.28 75SMA
3 2005/09/13 110.34 L 75SMA 2005/12/14 117.34 +7.00 2円超急落
4 2005/12/20 116.10 L 75SMA 2006/01/04 116.16 +0.06 75SMA
5 2006/01/19 115.23 L MACD 2006/02/15 117.39 +2.16 75SMA、MACD
6 2006/03/06 116.33 L レンジ 2006/03.14 118.72 +2.39 レンジ
2006/03/14 118.72 S レンジ 2006/03/21 116.36 +2.36 レンジ
2006/03/21 116.36 L レンジ 2006/04/18 117.79 +1.43 レンジ
7 2006/04/18 117.79 S レンジ 2006/05/16 110.82 +6.97 MACD
8 2006/05/16 110.82 L MACD 2006/07/03 114.32 +3.50 MACD、75SMA
米ドル円 05年6月〜06年5月

※上図は、外為どっとコムリアルチャートに加筆したものです。


1. 2005/06/09〜2005/07/21
 米ドル円は、これ以前から上昇トレンドを描いており、買いスタンスで仕掛け場所を探します。為替チャートが75日移動平均線に交わらずに上昇したため、6月9日に買い。7月21日に2円以上急落したため、ここで利益確定します。途中、MACDでデッドクロスが発生しますが、発生した日は前日の下落分を取り戻す陽線で終値を迎えているため、シグナルを無視。

2. 2005/08/17〜2005/09/02
 75日移動平均線を下抜けるも、再度上抜けした8月17日で買い。終値で75日SMAを割った翌日の9月2日に手仕舞い。
 7月20日以降、方向感のない相場が続いており、この時期、売りから入るという手も考えられますが、MACDで過熱感がないため、手を出しません。

3. 2005/09/13〜2005/12/14
 終値が75日SMAを上抜いたため、9月13日で買い。この3日前に一度上抜いていますが、方向感がハッキリしない局面のため見送り。始値、終値ともに75日SMAを上抜いた9月13日に仕掛けます。
 12月14日は大きく下落したため、ここで利益を確定させます。

4. 2005/12/20〜2006/01/04
 75日SMAを上抜いた翌日の12月20日に買い。しっかり上昇できず、また75日SMAを下抜いたため、1月4日に手仕舞い

5. 2006/01/19〜2006/02/15
 MACDでゴールデンクロスが発生したため、買い。一時、移動平均線を上抜けるも、再び戻ってきたため2月15日に利益確定。75日SMAも水平になったため、上昇トレンドが終わったかも?と考え、以後、様子見をします。

6. 2006/03/6〜2006/04/18
 ここではじめて、レンジ相場かも?という可能性に気づきます。115円半ばは、12月中旬にもサポートされたレート、1月半ばにはレジスタンスとなっています。そこを下抜けずに上昇したため、3月6日に買い。その後、119円をしっかり抜けられずに小幅下落したため、3月14日に利益を確定し、売りポジションを建てます。
 ここでハッキリと119円がレジスタンスと理解できますので、116円〜119円くらいの幅で利益を狙うスタンスに切り替えます。
 その後は、3月21日に116円を割らずに陽線引けで終わったため、買い、119円に届かず80銭以上下落したため4月21日に利益確定して売り。
 レンジ相場で勝つためのポイントは、損切りをレジスタンスとサポートラインより若干外側に設定することと、これらのラインを抜けた場合には、追いかけてポジションを建てる準備をしておくことです。相場に順応する柔軟な姿勢がリスク管理に役立つはずと考えています。

7. 2006/04/18〜2006/05/16
 レンジ相場に臨んでいたものの、一気に下抜けた、ラッキーな例です。MACDのゴールデンクロスに基づいて利益を確定させ、反対ポジションを持ちます。

2006年6月〜2007年5月

2005年6月〜2008年5月 75日移動平均線とMACD併用
番号 注文日 レート 売買 理由 決済日 レート 収益結果 理由
8 2006/05/16 110.82 L MACD 2006/07/03 114.32 +3.50 75SMA
9 2006/07/03 114.32 S 75SMA 2006/07/14 115.82 -1.50 損切り
10 2006/07/28 115.75 S MACD 2006/08/14 116.33 -0.58 MACD
11 2006/08/14 116.33 L MACD 2006/11/01 116.95 +0.62 75SMA
12 2006/12/12 116.95 L MACD 2007/02/27 117.93 +0.98 2円超急落
13 2007/03/16 117.54 L MACD 2007/07/24 121.06 +3.52 75SMA
米ドル円 06年6月〜07年5月

※上図は、外為どっとコムリアルチャートに加筆したものです。

8. 2006/05/16〜2006/07/03
 MACDをもとに買い、75日SMAを下抜いた7月3日に利益を確定。MACDもデッドクロスが現れます。

9. 2006/07/3〜2006/07/14
 MACDのデッドクロスで売りから入るも、1.50円反対方向へ動いたため7月14日に損切り。これより手前で損切りする手もありますが、75日SMAは下落基調を示しているので、あえてポジションキープ。結果として裏目に出た例です。

10. 2006/07/03〜2006/08/14
MACDでシグナルが発生したため、7月28日に売り。その後、75日SMAが方向転換したこと、MACDでゴールデンクロスが発生したことから、ドテン。

11. 2006/08/14〜2006/11/01
 75日SMAが上昇トレンドを示し始めたこと、MACDがゴールデンクロスしたことから8月14日に買い。もみ合いながらの上昇となり、この間のMACDのシグナルは無視。結局、75日SMAを割り込んだため、11月1日に手仕舞い。

12. 2006/12/12〜2007/02/27
 MACDで買いシグナルが現れたこと、12月5日の底値以降、陽線が続いていることから12月12日に買い。1月下旬にデッドクロスが現れますが、交差角度が甘いため無視。
 2月27日に2円以上急落したため、ここで手仕舞い。

2007年6月〜2008年5月

2005年6月〜2008年5月 75日移動平均線とMACD併用
番号 注文日 レート 売買 理由 決済日 レート 収益結果 理由
13 2007/03/16 117.54 L MACD 2007/07/24 121.06 +3.50 75SMA
14 2007/08/09 118.20 L MACD 2007/08/09 119.70 -1.50 損切り
15 2007/10/17 116.88 S 75SMA 2007/11/29 110.02 +6.86 MACD
16 2007/12/31 112.54 S 75SMA 2008/01/29 106.87 +5.67 MACD
17 2008/02/28 106.46 S MACD 2008/03/25 100.71 +5.75 MACD
18 2008/05/09 103.71 S 75SMA 2008/05/14 105.21 -1.50 損切り
米ドル円 07年6月08年5月

※上図は、外為どっとコムリアルチャートに加筆したものです。

13. 2007/03/16〜2007/07/24
 MACDでゴールデンクロスが現れたため、3月16日に買い。75日SMAを割ったため、7月24日に売り。途中、何度かMACDでデッドクロスが現れますが、過熱感がないため無視。

14. 2007/08/09〜2007/08/09
 MACDでゴールデンクロスしたため買いポジションを建てるも、その日に損切り。75日SMAが水平になっているため、トレンドを確認するため、以降、様子見に入ります。

15. 2007/10/17〜2007/11/29
 下降トレンドに入っているため、75日SMAに近づくも下落した10月17日に売り。MACDでゴールデンクロスが現れたため11月29日に利益確定。

16. 2007/12/31〜2008/01/09
 75日SMAを上抜けるも再び割り込んだため、12月31日に売り。MACDでゴールデンクロスが現れたため、1月29日に利益確定

17. 2008/02/28〜2008/03/25
 75日SMAに近づくも下落したこと、MACDで売りシグナルが現れたことから、2月28日に売り。MACDでゴールデンクロスが現れたため3月25日に利益確定

18. 2008/05/09〜2008/05/14
 75日SMAを割り込んだこと、MACDにてデッドクロスが現れたことから売り。1.50円反対方向へ動いたため5月14日に損切り。

 結果として、3年間で47.49円の差益を得ることが出来ました。このことから、75日移動平均線とMACDの併用は、FXでは効果的であるといえます。
 次に、ユーロ円について検証をしてみます。

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