移動平均線の検証 米ドル円

米ドル円と移動平均線

 5日移動平均線と20日(または25日)移動平均線のクロスが売買のサインというのが、一般的な移動平均線の活用方法。
 では、このサインどおりにトレードした場合、結果として勝つのか負けるのかを米ドル円(USD/JPY)とユーロ円(EUR/JPY)でバックテストします。
 まずは、過去3年分(2005/06〜2008/05)の米ドル円(USD/JPY)のデータをもとに、検証してみましょう。

過去3年間のUSD/JPYを検証

 下表は、左側の表が5日と25日、右側の表が5日と20日の移動平均線のクロスで売買した場合の結果です。売買欄のSはショートポジション(売りポジション)、Lはロングポジション(買いポジション)を示します。

 移動平均線は過去一定期間の終値をベースとしているため、クロスするかしないかはNY時間の終値が確定しなければ分かりません。このため、売買ルールとして、短期、長期移動平均線がクロスした翌日の始値で売買を開始するものとします。
売買ルールは以下のように決めます。
1. 短期移動平均線と長期移動平均線がクロスした翌日の始値でトレードに参入する。
2. 仮にロングポジションを建てた後に“売りシグナル”が現れた際には、翌日の始値で既存のポジションを決済すると同時に、ショートポジションを建てる。逆の場合も同様。
3. 次のシグナルが現れるまで損切りはしない。
 ※参考チャート:米ドル円 過去3年間のチャートと移動平均線(5日、20日)

SMA1=5日、SMA2=25日
日 付 為替レート 売 買 収益結果(円)
05/06/10 107.41 S
05/06/14 109.54 L -2.13
05/08/05 111.21 S +1.67
05/09/14 110.63 L +0.58
05/12/16 116.22 S +5.59
06/01/30 117.26 L -1.04
06/02/28 116.09 S -1.17
06/03/13 118.89 L -2.80
06/03/20 115.95 S -2.94
06/03/28 116.72 L -0.77
06/04/24 115.69 S -1.03
06/05/30 112.42 L +3.27
06/07/10 113.87 S +1.45
06/07/18 117.21 L -3.34
06/08/02 114.54 S -2.67
06/08/15 116.69 L -2.15
06/09/26 116.57 S -0.12
06/10/02 118.07 L -1.50
06/10/30 117.47 S -0.60
06/12/14 117.80 L -0.33
07/02/09 121.00 S +3.20
07/02/13 131.92 L -0.92
07/02/16 119.25 S -2.67
07/03/28 117.79 L +1.46
07/07/12 122.47 S +4.68
07/09/20 116.08 L +6.39
07/09/26 114.76 S -1.32
07/10/02 115.73 L -0.99
07/10/23 114.55 S -1.18
07/12/10 111.43 L +3.12
08/01/04 109.31 S -2.12
08/02/14 108.32 L +0.99
08/02/29 105.37 S -2.95
08/04/04 102.26 L +3.31
08/05/22 103.04 S +0.78
08/05/30 105.50 L -2.46
【結 果】
トレード回数 35回
勝敗 12勝23敗
勝率 0.343
損益 -0.71円
SMA1=5日、SMA2=20日
日 付 為替レート 売 買 収益結果(円)
05/06/10 107.41 S
05/06/14 109.54 L -2.13
05/07/27 112.52 S +2.98
05/07/29 112.09 L +0.43
05/08/04 111.07 S -1.02
05/09/01 110.61 L +0.46
05/09/06 109.12 S -1.49
05/09/14 110.63 L -1.51
05/12/15 117.38 S +6.75
06/01/30 117.26 L +0.12
06/02/24 116.81 S -0.45
06/03/10 118.19 L -1.38
06/03/20 115.95 S -2.24
06/03/27 117.56 L -1.61
06/03/31 117.30 S -0.26
06/04/04 117.66 L -0.36
06/04/21 117.53 S -0.13
06/05/26 111.76 L +5.77
06/07/05 114.79 S +3.03
06/07/17 116.36 L -1.57
06/08/01 114.63 S -1.73
06/08/15 116.69 L -2.06
06/09/08 116.41 S -0.28
06/09/12 117.64 L -1.23
06/09/26 116.57 S -1.07
06/10/02 118.07 L -1.50
06/10/27 117.48 S -0.59
06/11/21 118.03 L -0.55
06/11/24 116.26 S -1.77
06/12/14 117.54 L -1.28
07/02/07 120.08 S +2.54
07/02/14 121.14 L -1.06
07/02/16 119.25 S -1.89
07/02/27 120.60 L -1.35
07/02/28 117.93 S -2.67
07/03/26 117.89 L +0.04
07/04/25 118.57 S +0.68
07/04/30 119.18 L -0.61
07/06/12 121.71 S +2.53
07/06/14 122.68 L -0.97
07/07/04 122.67 S -0.01
07/09/20 116.08 L +6.59
07/09/26 114.76 S -1.29
07/09/28 115.61 L -0.85
07/10/22 113.96 S -1.65
07/12/05 109.84 L +4.12
08/01/03 109.64 S -0.20
08/02/11 107.29 L +2.35
08/02/28 106.46 S -0.83
08/04/03 102.34 L +4.12
08/05/15 105.05 S +2.71
08/05/16 104.73 L +0.32
08/05/22 103.04 S -1.69
【結 果】
トレード回数 52回
勝敗 17勝35敗
勝率 0.327
損益 +4.02円

 長期移動平均線を25日とした場合、3年間で0.71円のマイナス、それに対して長期移動平均線を20日とした場合は、3年間で4.02円のプラスという結果を得ました。長期移動平均線は25日より20日にしたほうが、感度が高まるのでシグナルが発生しやすくなり売買回数が増えるとともに、早い段階でシグナルが発生するために勝つときは大きく勝ちます。
 面白いのは、勝率が低いにも関わらず、20日移動平均線を利用した方がプラスの結果を得ていることです。ダマシが多くても勝つんですね。

 ただし、いくらプラスだといっても、3年間トレードをしてプラス4.02円は小さすぎます。よく見ると負けるときは立て続けに負ける傾向が見て取れます。
 たとえば、5日と20日を使用した場合、06年2月〜06年4月にかけて6.43円の損失、06年7月〜06年12月には13.63円の損失、一回のプラスを挟んで07年2月に6.97円の損失を記録しています。
 これでは、心理的な負担も大きく、FXで勝てません。
 つまり、この手法はFXでは通用しないと考えたほうがいいのです。

 次に、同じように移動平均線を活用した場合、ユーロ円(EUR/JPY)ではどのような結果を生むのか検証してみましょう。

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