まず忘れてはならないのは、為替相場は常に変動するものだということです。高金利通貨で人気の豪ドル円といえども為替レートが買ったときと比較して年6.75%下落するなら、利益はないのです。そのくらいの変動は為替相場では日常茶飯事に起こります。仮に、90円で買った豪ドル円が2年後に60円まで下落したらどうします?
いずれ上がるからと楽観視できるでしょうか?
そこまで下落すると、RBA(オーストラリア準備銀行)も政策金利は今より大幅に引き下げているでしょう。
証拠金が1年間で1.20倍になるなどといった予定が崩れるのも困りますが、一番怖いのは買ったレートよりも大きく下落したときの心理的ストレスです。あるFX会社の関係者から聞いた話によると、初心者は10円以上下落しても損切りせずにいる方がとても多いそうです。10円どころか20円以上下落しているのに手放さない人も少なくないんだとか。。。
これは精神的によくありませんよね。
そもそも為替レートが、10円〜20円も大きく変動するとき、為替チャートには明確なトレンドが現れます。上昇トレンドなら“買い”、下降トレンドなら“売り”から入るのが、FXでは高い確率で利益を上げられます。
しかし、スワップ狙いでしか投資をしていない方は、下降トレンドに順応しないばかりか、マイナススワップが付くポジションの保有に抵抗感を感じる方が少なくありません。
対する為替差益狙いの個人投資家は、トレンドが下降しているなら、売りから入ります。スワップ金利を毎日払ってでもポジションを保有します。1ヶ月間、豪ドル円やNZドル円のショート(売りポジション)を1万通貨保有したとしても、スワップのマイナス分は約5,000円です。為替差益に換算すると、0.50円に匹敵します。1ヶ月で0.5円以上の為替差益を得られれば、スワップのマイナス分を帳消しに出来ます。1円の差益を取れれば逆に5,000円の利益を得ることができます。
これは、決して難しい課題ではありません。
また、スワップ狙いしか知らない投資家は必ずといっていいほど、対円の通貨ペアを保有します。なぜなら、一番政策金利の低い日本円との組合せが、最も大きなスワップを得られるからです。
しかし、2008年6月現在、マーケットは米国経済の動向を非常に注視しています。このため、米ドル円が下落すると、他の対円の通貨ペアも連れ安となる傾向が多々見られます。これでは、対円の通貨ペアをいくつか持っていても、全くリスク分散になっていません。
思い当たる節がある方は、ぜひ、考えを改めてみませんか?