MACDがユーロ円で効かなかった理由。
そのひとつとして、トレンドに逆らった売買を繰り返したことが挙げられます。よく、書籍では0ラインより上でMACDがシグナルを下抜けたら“デッドクロス”、0ラインより下でMACDがシグナルを上抜いたら“ゴールデンクロス”と書かれています。
MACDは“MACD”と“シグナル”が0ラインより上で推移している場合は上昇トレンドを示し、反対に0ラインより下で推移しているときは下降トレンドの中にあることを意味します。つまり、0ラインより上で売る、0ラインより下で買うというのは、トレンドに逆らってトレードを行うことを意味します。
ユーロ円は、2005年6月〜2007年7月にかけて、途中もみ合いながらも、総じて上昇トレンドを描いています。
当然、MACDとシグナルも0ラインより上で推移することがほとんど。
本来なら、押し目買いをしなくてはいけない相場で、デッドクロスを信じて売りで仕掛けたのでは、損失額は膨らむ一方です。FXで稼ぐためには、逆張りよりも順張りに徹することが大切です。現在のトレンドを読み取り、流れに逆らわずにトレードをしなければ勝率は高まりません。
下図は、75日SMA(移動平均線)を重ねたユーロ円の為替チャートと、MACDとシグナルのグラフを並べたものです。赤で着色した範囲は、MACDでトレードに臨むも利益を上げられなかった期間です。
また、上昇トレンド中の75日SMAとMACDの代表的な仕掛け位置(日にち)と売買レートを入れてみました。ピンク色の四角で囲んだのが75日SMA、青色の四角で囲んだのがMACDです。
※上図は、外為どっとコムリアルチャートに加筆したものです。
MACDと75日SMAの仕掛ける位置を比較すると、トレンドが明確なときはMACDよりも75日移動平均線(75日SMA)を頼りにしたほうが、効率がよいことも上図で分かります。
06年5月19日、75日SMAでは買いサインが出て142.33円で仕掛けることが出来ます。対するMACDは、5月23日で143.52円。1円19銭も不利なレートでの参入を強いられます。
同様に75日SMAでは06年3月2日に利益確定のサインが現れますが、MACDだけを見ていたのでは、ここでの利益確定は不可能です。
MACDでは3月16日、155.62円で買いポジションを建てることとなりますが、次のデッドクロスで利益確定した場合、利幅は6.09円。対する75日SMAでは、3月20日に156.33円で買いポジションを建てますが、7月24日に利益確定で利幅は6.81円。
3月16日に持った買いポジションはMACDの売りシグナルが出る7月19日で利食いするのがベストですが、おそらくダマシ2のシグナルで手仕舞いしてしまうでしょう。
ただ、3月半ばの買いサインがMACDの方が早く現れたことからも分かるように、移動平均線から大きく乖離した位置での売買サインはMACDに軍配が上がることが理解できます。
これこそが、MACDのメリットであり、トレードに活用しない手はありません。
では、MACDのデメリット交えながら、為替相場での活用方法をもう少し考えてみましょう。