サブプライムローン問題

世界の金融市場を混乱させた問題

 サブプライムローンとはアメリカで利用されている住宅ローンの一つで、主に信用力の低い低所得者を対象としたローン商品。最初の数年間はローン金利を抑えていますが、数年後には通常の住宅ローンに比べて金利がグンとアップする仕組みになっています。
 アメリカでは住宅価格は上昇するものと考えられていて、購入した住宅が数年後に上昇すれば売ることによって売却益を得ることができますし、住宅価格の上昇分を担保に金利の低い通常のローン(プライムローン)へと借り替えることもできます。サブプライムローンはこうした背景もあって、利用者が相当数いるのです。

 しかし、これが大きな誤算を生みました。住宅価格の伸びは2006年から鈍化、ローンの返済が滞り、破産するする人々も増えていったのです。金融機関も融資に慎重になった結果、住宅の需要は減り住宅価格の下落を招きました。
 これにより、サブプライムローンを手がけていた中小ローン会社は経営破たん。これらのローン会社に融資を行っていた金融機関の経常利益も圧迫されることに

 サブプライムローン債権を証券化した金融商品は世界中で販売され、さまざまな金融機関が損失を被ることになりました。そして、2007年8月には世界的な同時株安が発生。とくに巨額のサブプライム関連証券化商品を保有している欧米金融機関は、世界中の投資家の信用不安を煽り、今なお金融市場の混乱は解消されていません。サブプライムローンの怖さは、どこにどれだけの損失が潜んでいるのか分からないことで、金融機関も時間の経過とともに損失額を大きなものへと修正していき、為替相場は今なお不安定な状態に陥っています。

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